
最近よく見るTwinkl Phonicsの特徴を教えてください。



人気沸騰中のTwinkl Phonicsは教材の数が多く、
使い方にコツがあるので見ていきましょう。
【再掲】シンセティック・フォニックス3社比較表 (A4/2枚)のプレゼント
以前の記事内でお配りした比較表ですが、まだゲットされていない方は下からダウンロードしてくださいね。3社の比較をしながら読み進めて頂くと理解しやすいかもしれません。
*【フォニックス3社比較表】ご利用にあたってのお願い*【フォニックス3社比較表】は著作権を放棄していません。第三者への転売・譲渡・Social media(SNS)・ネットまとめ記事などでの転載はご遠慮ください。
【おさらい】シンセティック・フォニックスの学習プロセス
Twinkl Phonicsの説明の前に、英国教育省認定教材の勧めるFull SSPの学習手順についておさらいしましょう。
前回のJolly Phonicsを扱った記事でもご紹介しましたが、英国教育省認定教材のFull SSP (Systematic Synthetic Phonics)はいずれも、図のような5つのステップ「反復(前週までの復習)」、「学習(今週のターゲット音素の学習)」、「練習(音素と書記素をしっかり理解」「強化(ターゲットの音素をブレンディングやセグメンテーションで演習)」、「定着(デコーダブル系の本を読書)」のサイクルを重視しています。


書記素とは例えば音素が/f/の場合は書記素は/f/を表すf, ph, ghになり、簡単にいえば音を表す綴りのことですね。
もちろんフォニックスに特化した学習だけではなく、読みや綴りの基礎力となる日頃の読み聞かせも大事です。
Twinkl Phonicsは教材が豊富なので、なかなかこの5つのプロセスに該当する素材をピンポイントで探し当てるが難しいのですが、検索のコツをこれから記事内で少しずつご紹介していきます。
まずざっくりとしたイメージをお伝えすると、Twinkl Phonicsでは上記の5つのステップを網羅した教材を週ごとにまとめたWeekly Lesson Packとして提供しています。どのレベルのどの週にどんな音素と書記素がターゲットになっているかはあらかじめ決まっているので、該当のWeekly Lesson Packをチェックするのが早道ではあります。
Weekly Lesson Packに入っていない英国教育省認定教材もたくさんあるので、その検索方法もご説明しますね。
また、各ステップをもう少し細かく見ていくと、たとえばステップ3のデコーダブル系の本には2種類(MinibooksとRhino Readers)の用意があってそれぞれ特徴が異なっています。のちほど使い方もふくめてご案内します。
人気急上昇中!フォニックス教材が使いたい放題: Twinkl Phonics (トゥインクル・フォニックス)の概要
最近ネットやソーシャルメディア(SNS)などでTwinkl社の青いロゴを目にする機会がとても増えました。「質の高い本場の素材にアクセスできる」「教員用のマテリアルも使うことができる」と人気沸騰中です。
Twinkl社の提供するPhonics素材は2種類
今回はTwinkl 社の豊富な教材のうち、英国教育省認定教材であるTwinkl Phonicsにフォーカスしてみましょう。少しわかりづらいのですが、Twinkl社が提供するフォニックスの素材には「英国教育省認定教材のTwinkl Phonics」と「認定教材ではないPhonics」の2種類のご用意があります。実際に検索している画像をお見せしながらのちほどご説明します。
Twinkl社の成り立ち
Twinkl社は2010年創設のオンライン教育出版社で、扱う教材は教員向けのリソースだけでなく、保護者向け、保育に関わる方向け、ホームスクールの方向け、成人向け、サポートが必要な方向け、各国独自の素材など多岐にわたります。
創業者はJonathan Seaton氏とSusie Seaton氏で、Susie女史は創業当時教員でした。国や地方自治体が定めた検定教科書がないイギリスにおいて、教師が教材作成に費やす膨大な時間を少しでも短縮し、その分の空いた時間を子ども達に集中できるよう、質の高い教材提供を決意したことが創業のきっかけとされています。
Twinkl社の教材利用価格
2023年7月現在、Twinkl社は無料プランと有料プランを提供しています。有料プランについて詳しくはこちらからご確認いただけます。無料プランは、無料会員登録すれば10万点以上の無料素材にアクセスが可能です。
Twinkl PhonicsにアクセスできるUltimate会員
有料プランにはCore、Extra、Ultimateの三段階の料金設定があり、Twinkl PhonicsにアクセスするためにはUltimate会員(月額1,230円)になる必要があります。
Ultimate会員になると、100万点以上のすべての素材、アプリへのアクセスが可能で、Twinkl Phonicsの英国教育省認定教材はもちろんのこと、フォニックスに欠かせないデコーダブル系の本のうち認定教材ではないRhino Readersシリーズなどもふくめて使いたい放題です。
英国教育省認定教材Twinkl Phonicsの簡単なアクセス方法
Twinkl Phonicsは2022年に英国教育省認定教材になったばかりですが、その認定教材一式はこちらからアクセスできます。
Twinklのフォニックス以外のページからもこの英国教育省認定教材にはアクセスは可能なのですが、ピンポイントで「このレベルのフォニックスの教材が欲しい」「この音素のこの教材を探している」という場合は、専用ページからの方が検索は簡単でお勧めです。


Twinkl Phonicsの英国教育省認定教材の検索ページの使い方
では、英国教育省認定のフォニックス教材を検索してみましょう。まずは、Twinkl Phonicsの英国教育省認定教材がまとまっているページの下までスクロールして検索するのが近道です。
2つの項目をチェックすると目当ての教材にたどりつきやすいでしょう。
1) Levelを選択。上の赤い丸の箇所のいずれかを選びましょう。


レベルは6つに分かれていて、保育園・幼稚園のようなナーサリー3歳から4歳児のLevel 1、レセプションと呼ばれる小学校0学年のような扱いの4歳から5歳児のLevel2・Level 3・Level 4、小学校1年生5歳から6歳児のLevel 5、最後に小学校2年生の6歳から7歳児のLevel 6の6種類があります。ここではLevel 3を選択したので該当箇所が濃いピンク色に変わっています。
2) 検索したい項目にチェック。左の緑の丸の箇所から検索したい内容を絞ってみましょう。今はすべての項目にチェックを入れているので全部の四角が青く表示されています。
英国教育省認定教材を示すロゴ
検索できた教材が確かに英国教育省認定であるかの判断は、ラベルがついているかどうかで分かります。
英国教育省認定教材の左上には基本的にはApproved by Department of Educationの教育省の白い旗のようなロゴが検索時に見えるのでお分かりいただけるかと思います。
教材についているロゴは英国教育省認定だけではなく、他にも豪州のカリキュラムにそっている場合は”Australian Curriculum 9.0″ のラベルが左下に、北アイルランドのカリキュラムと連携を示すラベルが右下に貼られた教材もあります。


Twinkl Phonicsの扱う音素は44個
ここでTwinkl Phonicsが扱う音素の数を確認しておきましょう。Twinkle Phonicsが扱う音素数は44個です。前回説明したJolly Phonicsが扱う音素は42個ですが、次の連載でご案内するOxford University Press社のFloppy’s PhonicsはTwinkl Phonics同様に44個となっています。


ちなみに英国教育省認定教材のロゴ付きのこちらのTwinkl Phonics Whole Scheme Sound Mat(プレイスマット)では特徴的なスペリングも含めた48個を学習対象として提示しています。
Twinkl Phonicsの特筆すべき教材:2種類のデコーダブル系の本
Twinkl Phonicsが他社と大きく異なる点は、デコーダブル系の本(Decodable Texts)が2パターン用意されている点です。デコーダブル・テキスト(Decodable Texts)は【基礎知識編】の記事でもご説明したように、教育施設だけでなく家庭での使用も勧められています。
MinibooksシリーズとRhino Readersシリーズ
ひとつ目のデコーダブル・テキストであるMinibooksシリーズは、保護者や保育担当者が気軽にPDFにアクセスして、お子様方の学習の進捗状況に合わせて家庭で印刷もできる英国教育省認定教材でとても好評です。
ふたつ目のデコーダブル・テキストのRhino Readersシリーズは、音声付(一部音声なし)なので、非ネイティブ・イングリッシュ・スピーカーの保護者にとっては頼れる存在として知られています。ちなみにRhino Readersシリーズは英国教育省認定教材ではないのが注意点です。
英国教育省認定教材のMinibooksシリーズ
Minibooksシリーズの特徴
2種類用意されているデコーダブル系の本のうちMinibooksシリーズは、英国教育省認定教材のTwinkl Phonicsと連携しているので、毎週の学習課題(ウィークリーレッスンパック)にも対応している点がポイントです。


Minibooksシリーズは、印刷して本の形式に自分達で組み立てる手間はあるものの、レベルによってはブレンディング (blending:一つひとつの文字の音素を読み上げて、くっつけて単語を読むこと)に必要なドットも語彙についていて、音読用にも最適な教材です。
また綴り方用の教材もペアで用意されているので、単なる綴りの練習からもっと高度な創造性に富んだ創作までつなげることも可能です。
Minibooksは、教室内でも家庭でも活用頻度の高い人気教材なのですが、紙媒体なので残念ながら音声の用意はありません。
Minibooksシリーズの検索方法
Minibooksシリーズは、英国教育省認定教材と連携しているので、Twinkl Phonicsの英国認定教材用のページから簡単にアクセス可能です。もちろん、Twinklの一般のページからも検索はできます。
英国教育省認定教材ではないが音声付のRhino Readersシリーズ
Rhino Readersの特徴
Minibooksとは別にTwinkl PhonicsではRhino Readersというリーダーズ本も用意されています。Rhino Readersは認定教材の各フェーズには対応しているものの、毎週の課題(ウィークリーレッスンパック)との連携はなく、教育省認定教材ではありません。
しかし、逆に週ごとの学習内容の縛りがないことでより広範囲の内容をカバーしていることが特徴として知られています。
認定教材ではないため、Twinkl Phonicsの認定教材用のページからではなくこちらのRhino Readers特設ページからの検索が簡単です。


さて、Rhino Readers用の特設ページをスクロールすると、下の方にRhino Readers Collectionとして各レベルの本へのアクセス入口が用意されています。
Rhino Readersシリーズは本によっては音声も収録されているのがポイントです。この点がMinibooksシリーズとは異なる特徴で、音声があることで、非ネイティブ・イングリッシュ・スピーカーの保護者にとっては使いやすい教材になっています。
Rhino Readers用アプリ(スマホまたはタブレット)では機種によっては音声が聞けない場合もあるので、音声にアクセスするのはパソコンからがお勧めです。
また、上記でご紹介したRhino Readersの特設サイトからでなく、Twinklの一般的な検索窓からターゲットのレベルのRhino Readersを探す方法でもアクセスは可能です。


Rhino Readersの検索方法と使い方


今回は、Level 3のRhino Readersを、Rhino Readersの専用サイトでなくTwinklの一般サイトから検索してみましょう。
検索窓には”rhino books level3″と入れると該当の本がたくさんヒットするのがご覧いただけると思います。
音声付のRhino Readersかどうかの見極めは、各本の左下に水色のincludes audio!と音のマークが付いていればネイティブ・イングリッシュ・スピーカーの読み上げを聴くことが出来ます。
今回選んだ”A Cure for Ben”の本をクリックすると、e Book with Audioと書かれた表紙がご覧いただけます。表紙の右下にはオレンジ色の「音声マーク」もあるので、この本がオーディオ付きと分かりやすいですね。
中央の”Let’s Go!”をクリックすると読み始められます。
さてLet’s Go!のボタンからアクセスすると、最初に左上に見える「Auto Turnボタンを使うかが問われる」ので、自分のペースで読みたい時はスクショのように白いままに、自動でページをめくって欲しければボタンをスライドするとオレンジ色に変わります。


Rhino Readersシリーズの保護者が助かる仕掛け(英語の質問文章など)
Rhino Readers シリーズはコンテンツに保護者をまきこむ仕掛けが多く、本を読み進める前の準備段階の説明や読後の英語の問い掛けが充実しているのも特徴の一つです。


例えば最初のページのBefore Readingでは、ターゲットの音素とそれを使ったブレンディング(Blending)で一音ずつ読んでいく音を聴くことができます。さらに、フォニックスのルールだけでは読めない、子どもの本によく登場するトリッキーワード(サイトワード)の紹介もあって子どもと確認することが出来ます。
こちらが本の最後のページにあるAfter Readingです。ここも音声付きで読み上げがあり、本の内容理解のチェックのために4つの質問が準備されています。非ネイティブ・イングリッシュ・スピーカーの保護者には何を質問したらいいか文章をあらかじめ用意する必要もなく、便利に使えそうです。
デコーダブル系の本を子どもが読む時には、【基礎知識編】でご紹介したように「読後のチェック」がポイントになります。Rhino Readersはあらかじめ質問が準備されているので、保護者には心強い教材ですね。


くわえて右下の水色の文字のRiho Challenge!のコラムでは、いくつかのクリティカル・シンキング的な質問が用意されています。
「あなたが動物病院の待合室にお犬のBenとお父さんといると想像してね。他にどんな動物が動物病院のお部屋にいると思う?」「犬のBenがおもちゃの羊を壊しちゃった!Benが遊べる新しいおもちゃの絵を描けるかな?」という、子どもが自分で考えたり、関連のアクティビティへと導くための質問は助かりますね。
Twinkl Phonicsの家庭での復習教材とアクセス方法
一般的にフォニックスを学習する際は家庭での復習用にあらたに教材を購入する必要があります。
しかし、Twinkl PhonicsのUltimate会員であればすべての教材にアクセス可能なので、学校用のPhonics教材を家庭でも使うことが可能です。これがTwinkle Phonicsの特徴の一つで、保護者の方や子どもをケアされるている方が自由に学校教材を復習用に使えることは大きいですね。
Twinklのフォニックス素材はすべてが英国教育省の認定を受けているわけではなく、検索時に教育省のロゴが見えるTwinkl Phonicsが基本的には認定教材です。しかし、Rhino Readersのように認定教材でなくてもTwinkl Phonicsの質の良さを実感できる教材も多く、家庭での復習やゲーム感覚で学べる素材などマテリアルは豊富で多岐にわたるのがポイントです。
ハンドブックとOverview Planで学習ターゲットの音素・書記素をチェック
家庭学習に際しては、まずはPhonicsの全体像をつかむための青いハンドブックにアクセスして、子どもがいつ何を学ぶかを理解するとよいでしょう。


今週学習する音素や書記素(例えば音素が/f/の場合は書記素は/f/を表すf, ph, ghなど)がわかったら、「習っている音素」「学習した書記素」を先のTwinkl Phonics専門サイトから探すか、あるいは通常のTwinklの検索窓に入力しましょう。
さまざまなリソースがヒットするので家庭学習にも活かしやすいです。
子どもが学んでいるレベル別に全体像をつかむには、Twinkl Phonics Whole Scheme Overview PlanのPDF資料のダウンロードが早いでしょう。
各レベルごとにどの順番で音素が導入されているか、また付随する内容が詳しく載っているので一目瞭然ですね。
PDFを開くとレベルごとのカラーになっているので、子どもの学習レベルが分かりやすい仕立てになっています。


例えば、OverviewのLevel 3 (4~5歳のレセプションと呼ばれる小学校1年生の前に通う準備学年でいわば小学校0年生的な立ち位置)は濃いピンク色のページで、そのPDFには第1週目、第2週目など進度が一番左のコラムに示されています。
次の項目が各週のターゲットの音素(もしくは書記素)が何であるかが列記されています。
その右側がフォニックスのルールに当てはまらないトリッキーワード(サイトワード)のうち読めるようにする単語、隣がトリッキーワードのうち綴れるようにする語彙のリストです。


最後がデコーダブル系の本のMinibooksのタイトルの紹介になっています。
英国教育省が強調するように、Phonicsは読みと綴りへつなげるツールで、既習の学習項目を主として用いたデコーダブル・テキストの活用も求められています。
Twinkl Phonicsの毎週の課題(ウィークリー・レッスン・パック)の進捗状況にあわせたMinibookの家庭学習への導入は大事なポイントです。
とりあえずレベル別のPDFをチェックすればどの学年がどの週に何を学習するかは保護者にも分かりやすいですね。
毎週の学習項目と教師用スライドのWeekly Lesson Packをチェック
ハンドブックやOverview Planから一つひとつ子どもが学習している音素と書記素(例えば音素が/f/の場合は書記素は/f/を表すf, ph, ghなど)をチェックしていく方法をご紹介しました。


もっとてっとり早く子どもが学習している内容を知りたい場合は、子どもが学校で習っているレベル名(Level3など)とWeekly Pack (ウィークリーパック)と検索窓に入れるのがお勧めです。
週ごとに習う音素のパワーポイントスライドや補助教材などがひとまとめになった教材がヒットするので保護者と復習するのにもとても使い勝手がよいでしょう。
該当するRhino Readersをチェック


加えてウィークリーパックとは連動はしていませんが、Rhino Readersを使えば読みの効果はさらにアップすること間違いなしです。
Rhino Readersは専用サイトからアクセスするのが早道ですが、そもそもどのレベルのどの週に何を読むべきかを知っておかないと検索しづらいです。
レベルごとの本のリストは、Twinkl Phonics and Rhino Readers Teaching and Learning Programme OverviewのPDFをダウンロードしておくと便利ですね。
Rhino Readers用のOverviewのPDFはレベル別に色分けされていて、Rhino Readersだけではなく学習内容と素材がひと目でわかりやすく載っているので使い勝手が良さそうです。
学習目標になっている音素・書記素やトリッキーワード(サイトワード)、学校のレッスン用素材、Minibooks、ワークシート、一番右側にはおすすめのRhino Readersが紹介されています。


小1のPhonics スクリーニングチェックのための保護者用ガイドブック
また、小学校1年生(5歳)時の夏学期最後に英国の全児童が受けるPhonicsのスクリーニング・チェックのための保護者用ガイドも準備されているという細やかな配慮もあります。
スクリーニングで用いられる「実在語」「非実在語 (Pseudo-words)」の練習もTwinkl Phonicsの素材を使えば簡単に行えますね。
教育省のスクリーニングで用いられる宇宙人キャラ(非実在語用)に似たエイリアンキャラクターのリソースも認定教材ではないのですがたくさん用意もあるので、お家で準備すればお子様も緊張せずチェックに臨めそうです。


Twinklのマジックeの呼び方
英国教育省認定教材として”Split digraphs”と説明がありますが、認定教材以外では”Magic e”の記載も見えます。
Twinklのフォノロジカル・アウェアネス (Phonological Awareness)の扱い
【基礎知識編】でもご説明したように、英国教育省が推すFull SSP(Systematic Synthetic Phonics)では、フォニックス導入前の音への気づき(Phonological Awareness)も重要視されています。
Twinkl Phonics のLevel 1の教材には、やかんがシュンシュン鳴る音や風が吹き荒れる様子など録音された音を聴いてカードを選ぶなど、3歳~4歳のPhonological Awarenessの能力開花に役立つさまざまな教材の用意があります。


なかでも「音とモノ」のマッチングのゲーム感覚の教材は、非ネイティブ・イングリッシュ・スピーカーでも扱いやすく、種類も豊富で他社にはない特徴の一つです。
該当年齢(3~4歳)の保護者や子どもをケアされている方は、雨の日などにこの素材を使うと、お家の中で特に楽器などを用意する必要もなく、さまざまな音に触れられて楽しく音への気づきを伸ばせること間違いなしですね。
Twinkl PhonicsのTricky Words
Synthetic Phonicsでは、子どもにとって目にする頻度が高く使い勝手が良い単語でしかも通常のフォニックスのルールに従わない語彙を、トリッキーワード(Tricky Words)と呼んでいます。
Twinkl Phonicsでは合計91個のトリッキーワードをLevel 2ではまず読むことからはじめます。
Level 3では読めるだけではなく定着した頃合いから綴れるようにするために、再度同じトリッキーワードを書く練習もしています。
しっかりと読みと綴りにつなげるように、青いハンドブックでは「毎日の練習」が推奨されています(Handbook p.18)。


Twinkl Phonics関連のおすすめYouTube2選
YouTubeにはたくさんのTwinkl Phonics関連の映像がありますが、お勧めはTwinkl Phonics Lesson Videosと、Twinkl Go!のPhonics Songsの2つです。YouTubeの映像は英国教育省認定教材ではありませんが、Twinkl Phonicsの理解を深めるツールとして掛け流しにも活用できそうです。
フォニックス初心者にも安心:Twinkl Phonics Lesson Videos


Twinkl Phonics Lesson Videosは、Twinkl Phonicsのプログラムに完全に対応した仕立てになっているのがポイントです。
Phase 1からPhase 6まで、プレイリストにまとまっているのでアクセスしやすく、「フォニックスははじめて」の保護者の方であっても、小さなお子様と一緒に学ぶことが出来ます。
Twinkl Phonicsでは6つのカテゴリーをLevel1からLevel 6と名づけていましたが、こちらのTwinkl Phonics Lesson Videosでは、Phase 1からPhase 6とグループ分けしているのが少し分かりづらい点かもしれません。
Twinkl Phoincs Lesson Videosでは、お人形のFelixとTwinklの先生がゆっくりフォニックスの基礎から説明してくれるのでフォニックス初心者にも安心です。ビデオの長さも、長くても6分程度なので小さなお子様でも飽きずに観られそうですね。
YouTubeレッスンに使われているTwinkl社の素材は、ビデオによっては画面下の概要欄のリンクから飛ぶこともできるので、ダウンロードも簡単です。(概要欄にリンクのないビデオもあります。)
掛け流しにも最適:Twinkl Go!のPhonics Songs
フォニックスを学ぶ際、日本人にとっつきにくいTricky Words (Sight Words)や、ブレンディング、セグメンティングの強力な助っ人はTwinkl Go!のPhonics Songsのシリーズです。


Twinkl Phonics教材に関してのごく個人的感想
Twinkl Phonicsの教材の質の高さと教材数の豊富さはサブスク費用(Ultimate会員の月額1,230円)に鑑みると驚異的にコスパが良いことで知られています。
教材数とクオリテイーは賞賛に値するのですが、Twinkl Phonicsの問題は「教材の大海原」の中、目指すリソースを探し当てるのがなかなか大変です。
以下の3点を抑えることが検索のスピードアップのコツでしょうか。
- 子どもが学習しているレベルと週を検索窓に入力→英国教育省認定教材のWeekly Lesson Packにアクセス
- Twinkl Phonicsの英国教育省認定教材の専用ページ→英国教育省認定教材すべてにアクセス
- Rhino Readersの専用ページ→英国教育省認定教材ではないデコーダブル本にアクセス
教材によっては、音声がパワポのスライドについていたり、別ファイル仕立てになっていたり、なぜかせっかくのお歌の教材なのに音声の用意がまったくなかったりと、素材の造りに統一感がないケースも散見されるのが、少し残念なポイントですね。
その他:Twinkl Phonicsが提供する教員研修
指導者向けのオンライン研修は2種類用意があります。
講座の提供会社 | 有料/無料 | 講座数 | 講座形態 | テストの有無 | 修了証の有無 |
Udemy | 無料 | 3 | 動画配信 | あり | 自動で発行 |
Twinkl | Ultimate会員 向け | 多数 | 録画済Webinar | なし | 申請して発行 |
一つは、Udemyの提供する3つの無料トレーニング・コースで、もう一つはTwinklのサイトの中で有料会員がアクセスできるWebinarを使ったLevel別のコースです。


一つ目の指導者向けのUdemyの無料トレーニングコースは、一つずつの講座の学習時間は1.5時間から2時間です。しかし実際は、コース内で紹介されているTwinkl Phonicsの教材にアクセスして確認していくと意外と3倍くらいの学習時間が必要です。
トレーニングコースには、2019年のOfstedのPhonicsも含めた訪問監査の実態など最新情報も加えられていて、イギリスの現役教員にとって役立つ研修コースに仕上がっています。
講座によってはバックグランウドミュージックが大きすぎて解説の声とかぶってしまっている点が少し残念です。
もう一つ、Twinklから有料会員向けのWebinarの研修コースも提供されています。
研修内容は、Phonicsはじめ多岐にわたります。レベル別で自分の必要なコースが探しやすい上に、講座時間は比較的短く、研修コース内で使用されているTwinklの教材もすぐ検索できるので、大変使い勝手のよい講座です。


「Twinkl Phonics編」のおわりに
Twinkl社の教材はどんぐりばぁばも無料デーではじめて存在を知りました。「Twinklって何かしら?」と軽い気持ちでアクセスしたもののあまりの教材の多さに圧倒されました。もはや「Twinkl魔宮」と呼ぶにふさわしく、何をどうダウンロードして活用していいものやら、呆然となったことを思い出します。
今回、英国教育省認定フォニックス教材の46社のリストを眺めていて、「あのTwinkl社のTwinkl Phonicsも認定教材なのね」と気づきました。調べれば調べるほどクオリティーの高い教材が基礎から上級まで段階的に用意されていることが分かって、すっかり虜になりました。
何度もTwinklのご担当者様にお尋ねして教えて頂いた「魔宮」検索のコツが、この記事で少しでも伝われば嬉しいです。皆さまも是非Twinkl Phonicsにアクセスしてみてくださいね。
(念のため『Jolly, Twinkl & Floppy’s :3つのフォニックス比較』シリーズはPR案件ではございません。)



